PDMics

図面管理システムの導入メリットまとめ

2025年07月09日

はじめに

図面管理システム導入でどんなメリットがあるのかをまとめました。
これからシステム導入をご検討される方のお役に立てば幸いです!

そもそも、図面管理システムとは?

図面管理システムとは、図面ファイルや関連する技術文書など、設計業務において作成される様々な文書ファイルを一元管理するシステムです。

また、図面の格納だけでなく、承認機能やバージョン管理、アクセス権限の設定など、高度な管理・共有が可能です。中には、“図面” に特化した機能を搭載する製品もあり、その点が文書管理システムとの差別化ポイントにもなっています。

文書管理システムは、主にビジネス文書の管理に特化しており、インボイスや電帳法に対応している製品が見受けられます。設計部門で活用するとなると、議事録や客先提示資料、社内規則、社内設計規則に関するファイルの管理には対応できますが、CADツールとの連携までカバーしている可能性は低いです。

導入メリット

それでは、さっそく図面管理システムの導入で何ができるようになるのかを見ていきましょう!

1. 図面が一元管理される

システム導入によって図面やその関連ファイルを一元管理できるようになります。
図面ファイルが一カ所に集約・管理されるため、図面管理の属人化や乱雑化の解消につながります。

図面が社内に散らばっており、一元管理ができていない状態だと、既存図面が必要になる度に “探し回る” というムダな時間が発生してしまいます。
この問題については人と時間、ようするに “マンパワー” をかければ対策できないこともないため、「今の管理方法でもまだやれる…」と、解決を後回しにされているお客様もいらっしゃるようです。

ですが、どんな現場でも将来的に業務引継ぎや技術継承は避けて通れません。
その時、属人化は非常に大きなボトルネックになる可能性があります。
また、時間の経過とともに図面や関連文書は増加・複雑化し、いっそう管理にパワーが必要とされる一方で、人手不足の問題に直面する未来も考えられます。

今はまだ一元管理の必要性が感じられない現場でも、図面管理の効率化は未来につなぐための現場改善になりえます。一度、現場の図面管理の現状とその将来についても見直してみてはいかがでしょうか?

2. 検索スピードが上がる!

システム画面から目的の図面をすぐに検索できます。
システムのスペックと管理枚数にもよりますが、検索時間はほんの数秒で済むケースが多いと思います。

個人管理が常態化している現場や、曖昧に管理している現場では、この図面の捜索に1日あたり約30~60分も費やしているとも言われていますので、検索時間が数秒になるだけでも劇的な効率化ではないでしょうか。

また、図面の検索時間が削減されると、設計業務において様々なメリットがあります。
たとえば、流用したい図面が見つけられず設計に取りかかるまでに時間をかけすぎていないでしょうか?
検索に時間がかからなければ、このような図面探しの手間に悩む必要はありません。
すぐに検索して、すぐに流用設計に取りかかれます。
このように、設計に集中できる時間が生まれるのも導入効果のひとつです。

さらに、流用設計に限らず、図面の参照はあらゆる業務・工程においても起こりうる作業です。
適切な図面をすばやく検索できるというメリットは、現場全体の生産効率にも効果をもたらす可能性があります。

特に、高い競争力が求められる業界など、図面の流用スピード、設計品質が重要視される場合は、図面管理システムの導入でスムーズに図面運用ができる環境を構築しておくことは必須となってきます。

3. 迷わない、バージョン管理

図面管理システムでは、図面の “バージョン” も管理します。
※ システムによっては、バージョン管理を「リビジョン管理」や「版管理」とも呼びます
仕組みは次のようになっています。

図面の属性情報を軸にして、バージョンごとの図面ファイルが紐づいていく仕組みになっています。
図面にバージョンアップがかかると、その度にシステム側で新しいバージョンが割り振られます。
そして、システムで図面を検索すると、常に最新バージョンの図面を参照する仕様になるため、誤って古い図面を参照してしまう心配がありません。

これにより、人の手によるバージョン管理で起こりがちな、曖昧な図面ファイルの命名や意図しない複製・削除といった人為的ミスが招く、バージョンの混同・重複を防ぐことができます。

また、「やっと必要な図面を見つけても、最新版かどうかは全部探し出してみないと分からない…」といったお困りの声もお聞きしたことがあります。
システムに管理を一任することで、すぐに検索して、バージョンにも確信を持った上で、すぐに次の作業に取りかかれるので、図面を扱う担当者の負担や心配も減らせます。

さらに、過去の図面については、バージョンごとに図面ファイル、属性情報、変更者、変更日時といった情報もバックアップされているため、履歴をさかのぼって参照・流用することもできます。

4. 承認もできてしまう…!

図面管理システムでは、管理・検索だけでなく、承認 ( ワークフロー ) も行えます。

承認担当者がシステムにアクセスできる環境・端末があれば、いつでも、どこでも承認できます。
「担当者が不在だから、業務が停滞してしまう…」といった人・時間・場所による縛りがなくなり、出張先や在宅勤務においてもリモート承認できるようになるなど、新しい働き方も検討できます。

また、導入システムによっては、システム上で各フローの承認が完了する度に、対象のCAD図面に自動で承認印を押印してくれる機能を搭載するなど、承認作業のデジタル化にも貢献します。

ところが、実際にお客様からお話を伺っていると「システムを導入していても、結局は承認を回すタイミングで図面を印刷している…」といった現場もちらほらあるようで、承認作業についてはまだまだ “紙とハンコ” が強いという印象も拭えません。
とはいえ、紙図面は保管スペース、保管コスト、劣化・消失のリスクなどを抱えているため、ペーパーレス化はどのような現場でも担当者の頭をよぎる取り組みかと思われます。

図面管理システムの導入をきっかけにペーパーレス化を進めるきっかけにもなると思いますので「業務をどのように改善したいか?」という点も含めて導入を検討されるのがポイントとなってきます。

5. CADと連携できる

対応するCADソフトとPDM ( 図面管理システム ) を連携することができます。
この点が、文書管理システムとの違いでもあります。
やはり “図面管理” 専用のシステムなので、図面や設計に特化した機能や連携が可能というわけです。

連携機能はシステムによって違いますが、本記事では弊社の図面管理システム「PDMics ( ピーディーミクス )」を例に取り上げたいと思います。

PDMicsで提供している「CADアドイン機能」では、対応するCADソフトのツールバーにPDMicsとの連携機能ボタンが追加されるようになるため、CADソフトから図面管理の各種機能が使えます。
つまり、システムを行ったり来たりする必要がないため、担当者の作業負担も軽減されます。

また、連携機能である「図枠作図」は、CAD図面上の図枠に記載された情報をPDMicsに登録することができる機能です。実際に、管理システムへの転記ミスが削減できたということで、ユーザー様からご好評をいただいている機能のひとつです。

せっかく図面管理システムを導入しても、その登録や更新の作業が担当者の負担になっていては、システムの現場定着の弊害にもなってしまいます。
システム導入の際は「担当者にとって使いやすいか?」という視点も忘れないようにしたいものです。

6. セキュリティレベルが上がる

図面は企業の資産と言われます。
企業にとって重要な図面に対して、情報漏洩や改ざんといったリスクへの対策は十分でしょうか?

図面管理システムの導入によって、一定のセキュリティレベルをクリアすることができます。
特に、図面の管理が属人化している現場や、管理ルールが曖昧になっている現場では、図面の保管場所が一元化されることによって、セキュリティが担保されたサーバーで図面を安全に集中管理できます。

これに合わせて、細かなアクセス権限を割り振れるシステムもあります。
たとえば、部署、チーム、特定の人物といった単位で図面へのアクセス制限をかけたり、「図面が承認中になったらアクセスを許可する」といった条件付きの制限をかけることもできます。

また、「ワークフロー」の機能もセキュリティレベルを上げるのに一役買っています。
図面管理システムでは、図面の回覧や承認依頼など、他者との図面の共有がシステム上で完結できます。
そのため、紙図面における紛失・破損・持ち出しのリスクを防ぐほか、図面ファイルを添付してメール送信したときの情報漏洩・改ざんのリスクも防ぐことができます。

このように、システムの導入によって、どのような現場にも付いて回る、図面のセキュリティ対策を講じる一手になりえます。

さいごに

ここまで、図面管理システムの主な導入メリットをまとめました。
特に導入を検討中の方には、何か気づきや参考になる点があれば幸いです。

図面管理システムは、図面検索やリビジョン管理、ワークフローといった基本機能だけを見ていると、その導入効果まで想像するのが難しく「今のままでいいや!」と思ってしまいます。

ですが、今回ご紹介させていただいたメリットの中にもあったように「競争力アップ」や「業務の継承」、「セキュリティ」といった、もっとマクロな切り口で見てみると図面管理システムの必要性、そして重要性も見えてきます。

図面管理システムは、ひとつ導入すれば大きな変革がもたらせるような製品ではないかもしれませんが、様々な業務・工程において波及的な効果が期待できるシステムだと思っています。

導入で迷われていることがあれば、ぜひ、弊社までお気軽にご相談ください!

この記事を書いた人
K
マーケティングチームのメンバーです。
図面管理をメインに、設計回りで役立つソリューションの拡販を担当しています。
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