棚卸とは?目的・やり方・種類・効率化の方法をわかりやすく解説

2026年07月29日
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在庫管理を正しく行うためには、帳簿上の在庫と実際の在庫が一致していることを確認する必要があります。

しかし、

  • 棚卸に時間がかかる
  • 在庫数が合わない
  • 入力ミスが発生する
  • 棚卸のために通常業務を止める必要がある

といった課題を抱えている現場も少なくありません。

この記事では、棚卸とは何か、目的や種類、基本的なやり方、棚卸差異が発生する原因、棚卸作業を効率化する方法についてわかりやすく解説します。

棚卸とは

棚卸とは、倉庫や工場などに実際に保管されている商品、部品、原材料などの数量や状態を確認し、システムや帳簿上の在庫情報と照合する作業です。

帳簿上の在庫と実在庫に差がないかを確認し、正確な在庫数量や在庫金額を把握することを目的に行います。
数量だけでなく、保管場所、破損や劣化、不良品、長期間動いていない在庫の有無などを確認する場合もあります。

帳簿上の在庫と実在庫を照合し、棚卸差異を確認する流れ

棚卸を行う目的

① 実在庫数を正確に把握する

システムや帳簿に記録されている在庫数と、倉庫や工場に実際に存在する在庫数を照合します。
棚卸によって在庫差異を把握し、原因を確認したうえで在庫情報の修正につなげます。

② 在庫差異の原因を確認する

在庫差異は、入出庫時の入力漏れや数え間違い、誤出荷、破損、紛失などによって発生します。
差異の原因を調査することで、日常の在庫管理や作業手順の問題を発見し、再発防止につなげられます。

③ 在庫の状態を確認する

棚卸では数量だけでなく、破損品、不良品、使用期限切れ、長期間動いていない滞留在庫なども確認します。
在庫の状態を把握することで、廃棄や配置変更、発注量の見直しなどを検討しやすくなります。

④ 決算に必要な在庫数量と状態を確認する

商品や原材料、仕掛品などの棚卸資産は、企業の利益や資産額を計算するうえで重要な項目です。
決算時に実在庫の数量や状態を確認し、適切な評価方法に基づいて在庫金額を算定します。

棚卸の種類

棚卸の代表的な実施方法には、一定の時点ですべての対象在庫を確認する「一斉棚卸」と、対象を分けて継続的に確認する「循環棚卸」があります。

在庫を一斉に確認する一斉棚卸と、対象を分けて確認する循環棚卸の比較図
比較項目 一斉棚卸 循環棚卸
実施方法 対象となる在庫を
一斉に確認する
対象を分けて
計画的に確認する
実施頻度 年1〜数回程度 毎日・毎週・毎月など継続的
通常業務への影響 業務を止めて実施する場合が多い 通常業務と並行して実施しやすい
メリット すべての在庫を
一度に確認できる
業務への影響を抑えながら
在庫精度を維持しやすい
向いているケース 決算前や定期棚卸など 在庫量が多い倉庫や
日常的に在庫精度を維持したい場合

一斉棚卸は、決められた時点で対象となる在庫をまとめて確認する方法です。
一方、循環棚卸は、棚や品目などで対象を分け、日常業務の中で計画的に実施する方法です。

棚卸のやり方と基本的な流れ

棚卸は、事前準備から実在庫の確認、差異調査、在庫情報の修正まで、一定の手順に沿って行います。

棚卸の準備から実在庫の確認、差異調査、在庫情報の修正までの6つの手順

手順1:棚卸の対象と実施日時を決める

対象となる倉庫、棚、品目、実施日時、担当者を決めます。
棚卸中も入出庫を行う場合は、在庫が重複して計上されないように運用ルールを明確にしておきます。

手順2:保管場所と在庫を整理する

同じ商品が複数の場所に分散していないか、商品と棚札が一致しているかを確認します。
破損品や返品予定品などは通常在庫と区別し、棚卸時の数え方や記録方法を明確にしておくと、数え間違いを防ぎやすくなります。

手順3:実際の在庫を数える

棚やロケーションごとに商品や部品を数え、実在庫数を記録します。
数量が多い品目や似た商品が並んでいる場所では、複数人による再確認も有効です。

手順4:帳簿在庫と照合する

棚卸で確認した実在庫数と、システムや帳簿上の在庫数を照合します。
数量が一致しない品目は、差異のある在庫として抽出します。

手順5:棚卸差異の原因を調査する

入出庫履歴や返品、廃棄、在庫移動の記録などを確認し、差異が発生した原因を調査します。

手順6:棚卸結果を在庫情報へ反映する

差異の内容を確認したうえで、システムや帳簿の在庫数を修正します。
棚卸結果や修正理由を履歴として残すことで、後から差異の発生状況を確認しやすくなります。

棚卸差異とは

棚卸差異とは、システムや帳簿に記録されている在庫数と、棚卸で確認した実在庫数にずれがある状態です。

例えば、帳簿上では100個あるはずの商品を実際に数えたところ、98個しかなかった場合、実在庫が帳簿在庫より2個少なく、マイナス2個の棚卸差異が発生している状態です。

棚卸差異が発生する主な原因

  • 入庫や出庫の登録漏れ
  • 数量・品番・管理単位の入力間違い
  • 数え間違いや数え漏れ
  • 異なる保管場所への置き間違い
  • 誤出荷や返品処理の漏れ
  • 破損、紛失、廃棄の未登録
  • 棚卸中の入出庫による数量変動

差異が発生した場合は、在庫数を修正するだけでなく、入出庫履歴や作業記録の確認と原因調査を行い、再発防止につなげることが重要です。

棚卸でよくある課題

  • 対象となる在庫が多く、作業に時間がかかる
  • 数え間違いや数え漏れが発生する
  • 紙の棚卸表からExcelへ転記する必要がある
  • 棚卸のために通常業務を止める必要がある
  • 在庫差異が発生しても原因を特定できない

紙の棚卸表を使う場合は、在庫を数える作業に加えて、記入、集計、Excelへの転記、帳簿在庫との照合が必要です。作業工程が多いほど人為的なミスも発生しやすく、棚卸完了までに時間がかかります。

また、棚卸の実施中に入庫や出庫が発生すると、どの時点の在庫を数えたのか分からなくなり、差異の原因となる場合があります。

棚卸を効率化する方法

棚卸を効率化するには、在庫を数える作業だけでなく、記録・集計・差異確認まで含めて見直すことが重要です。

① 棚卸の対象や手順を事前に整理する

棚卸を始める前に、対象となる倉庫や棚、品目、担当者、確認順序を決めておきます。
保管場所を整理し、棚卸中に入出庫を行う場合のルールも明確にすることで、数え漏れや二重計上を防ぎやすくなります。

② バーコードとハンディターミナルを活用する

商品や部品、ロケーションに付けたバーコードをハンディターミナルで読み取り、実際の数量をその場で入力します。
品番や保管場所を紙へ記入する作業を減らせるため、記入ミスや転記ミスの削減につながります。

③ 棚卸結果を在庫管理システムと照合する

ハンディターミナルで登録した実在庫数と、システム上の帳簿在庫を照合します。
差異がある品目を一覧で確認できれば、紙の棚卸表と在庫一覧を1件ずつ見比べる必要がなくなり、差異確認や原因調査を進めやすくなります。

紙とExcelによる棚卸と、バーコードや在庫管理システムを活用した棚卸の作業比較

④ 循環棚卸を取り入れる

すべての在庫を一度に確認するのではなく、棚や品目ごとに対象を分けて定期的に棚卸する方法もあります。
1回あたりの作業量を抑えられるため、通常業務への影響を減らしながら在庫精度を維持しやすくなります。

在庫管理システムを活用した棚卸

在庫管理システムの棚卸機能を活用すると、棚卸対象の準備、実在庫数の登録、帳簿在庫との照合、差異確認などをシステム上で管理できます。
紙の棚卸表からExcelへ転記したり、在庫一覧と棚卸結果を1件ずつ見比べたりする作業の削減につながります。

  • 棚卸対象となる品目やロケーションの管理
  • 実在庫数と帳簿在庫数の照合
  • 棚卸差異がある品目の抽出
  • 棚卸結果の登録と在庫情報への反映
  • 棚卸結果や在庫修正履歴の保存

ただし、棚卸結果を在庫数へ反映する方法や、棚卸中の入出庫を制限できるかなど、対応範囲は製品によって異なります。
導入時は、自社の棚卸手順に合った機能を備えているか確認することが重要です。

まとめ

棚卸は、実在庫と帳簿上の在庫を照合し、在庫情報を正しく維持するために欠かせない作業です。

バーコードやハンディターミナル、在庫管理システムを活用することで、記入・転記・照合作業を減らし、棚卸作業の効率化や入力ミスの削減につなげられます。

棚卸作業に課題を感じている場合は、自社の運用に合った方法やシステムの導入を検討してみましょう。

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WMSicsは、バーコードやRFIDを活用し、在庫管理・入出庫管理・ロケーション管理を効率化できる在庫管理システムです。
製造業の現場に合わせた運用にも対応しています。
この記事を書いた人
担当者K ( 株式会社アイ・シー・エス )
マーケティングチームのメンバーです。
図面管理や在庫管理など、製造現場の業務効率化に役立つ情報を発信しています。
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