AGV・AMRとは?違いや特徴、導入メリットをわかりやすく解説

2026年07月28日
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AGV(無人搬送車)とAMR(自律走行搬送ロボット)は、工場内物流や搬送自動化を実現し、スマートファクトリーを支える重要な設備です。
製造業では、人手不足や生産性向上への対応が求められる中で、搬送作業を自動化する取り組みとして注目されています。

また、AGV・AMRは、どちらも荷物を自動搬送する設備ですが、走行方法や得意な用途には違いがあります。
本記事では、AGV・AMRの概要や違い、導入メリット、活用シーンについてわかりやすく解説します。

AGVとは?(無人搬送車)

AGV(Automated Guided Vehicle)は、無人搬送車とも呼ばれ、工場や倉庫内で荷物を自動搬送する車両です。
磁気テープや二次元コード、レーザーなどを利用し、あらかじめ設定された経路に沿って走行する方式が一般的です。
決められた搬送を繰り返す現場で活用されています。

AMRとは?(自律走行搬送ロボット)

AMR(Autonomous Mobile Robot)は、自律走行搬送ロボットとも呼ばれる搬送設備です。
LiDARやカメラなどのセンサと地図情報を利用して自機の位置や周囲の状況を認識し、目的地まで自律走行します。
障害物を検知して停止したり、別の経路を選択したりできるため、経路変更が発生する現場にも対応しやすいのが特徴です。

AGVとAMRの違い(比較表)

AGVとAMRの呼び方や機能の範囲は、製品やメーカーによって異なります。
以下は一般的な傾向を整理した比較です。

AGVとAMRの違い(走行方式・障害物対応)の比較図
比較項目 AGV AMR
走行方法 決められたルートを走行 自律的にルートを判断
誘導方式 磁気テープ・二次元コード・レーザーなど LiDAR・カメラ・SLAM
障害物への対応 停止して安全を確保する方式が一般的 停止または経路を変更して走行
経路変更 誘導体の変更や経路設定の変更が必要 地図や走行設定の変更で対応しやすい
導入時の主な検討事項 経路設計、誘導体の設置、設備との受け渡し 地図作成、走行環境の確認、交通制御
向いている現場 定型搬送 変動の多い現場

AGV・AMRが活躍する場面

AGV・AMRは、工場内物流におけるさまざまな搬送業務の自動化に活用されており、スマートファクトリーを実現するうえでも重要な設備となっています。

例えば、次のような搬送業務で活用されています。

  • 原材料の搬送
  • 製造ラインへの部品供給
  • 工程間搬送
  • 完成品搬送
  • パレット搬送
  • 空箱回収・治具回収
  • 倉庫から生産ラインへの搬送
工場内物流におけるAGV・AMRの活用シーン

このような搬送作業の一部をAGV・AMRへ置き換えることで、人による移動や運搬作業を削減できます。

AGV・AMRを導入するメリット

① 搬送作業の負担を減らせる

繰り返し発生する搬送を自動化することで、搬送に必要な人員や作業者の移動負担を減らせます。

② 搬送待ちを削減しやすい

生産計画や在庫状況に合わせて搬送する仕組みを構築することで、部品供給の遅れや搬送待ちの削減につなげられます。

③ 重量物運搬による身体的負担を抑えられる

重量物や台車の運搬をAGV・AMRへ置き換えることで、作業者の身体的負担を減らせます。

④ 搬送作業のばらつきを抑えられる

設定した経路や指示に従って搬送するため、担当者による経路や供給時間のばらつきを抑えやすくなります。

⑤ 搬送工数の削減につながる

搬送作業や移動にかかっていた工数を減らし、人員配置の見直しや残業時間の削減につなげられます。

AGV・AMRの注意点

AGV・AMRは、工場内物流の自動化に大きな効果が期待されますが、導入にあたっては次のような点も考慮する必要があります。

  • 車両本体や周辺設備、システム連携に初期費用がかかる
  • システムや設備との連携設計が必要
  • 搬送能力や充電時間を考慮した台数設計が必要
  • 人・フォークリフト・ほかの搬送設備との安全対策が必要
  • 通路の混雑によって搬送効率が低下する場合がある
  • 通信障害や車両停止時の代替運用が必要
  • 運用ルールや保守体制の整備が必要
  • AMRは走行マップ作成などの初期設定が必要

AGV・AMR導入時のポイント

AGV・AMRを導入する際は、ロボットだけでなく工場全体の物流設計を考えることが重要です。

確認しておきたいポイントには、

  • 搬送物の大きさ・重量・形状
  • 搬送量・頻度・希望する搬送時間
  • 通路幅・段差・床面・傾斜
  • 積み込み・受け渡し方法
  • 人やフォークリフトとの動線
  • 必要台数と充電方法
  • 自動ドア・コンベア・エレベーターなどとの連携
  • 通信障害や故障時の代替運用
  • 将来のレイアウト変更

などがあります。

AGV・AMRを活用したスマートファクトリーの構成例

構成例として、製造実行システム(MES)や倉庫管理システム(WMS)から発行された搬送要求を、搬送管理システムやフリート管理システムが受け取り、AGV・AMRへ搬送指示を送る方法があります。

また、PLCと連携して自動ドアやコンベアなどを制御したり、SCADAで接続した設備の稼働状況や異常を監視したりすることで、搬送設備と生産設備の情報をまとめて確認しやすくなります。

このように、各システムを目的に応じて連携することで、生産・在庫・搬送・設備の情報を共有しやすくなり、工場内物流の見える化や改善につなげられます。

MES・WMS・SCADA・PLC・RFID・AGV・AMRが連携するスマートファクトリー構成例

※ 構成は一例です。工場の設備や運用に応じて構成は異なります。

システム・技術 役割・連携内容
製造実行システム(MES) 製造指示や工程進捗、製造実績などを管理します。WMSや搬送管理システムと連携し、部品供給に必要な生産情報を共有します。
SCADA PLCや接続した設備、搬送設備の稼働状況や異常を監視・見える化し、運用状況の把握に役立てます。
倉庫管理システム(WMS) 在庫情報や保管場所、入出庫作業などを管理します。搬送管理システムなどと連携し、搬送要求の作成に利用される場合があります。
PLC コンベアや自動ドアなどの設備を制御します。AGV・AMRとの連携により、設備間の受け渡しや搬送を自動化できます。
RFID 搬送物やパレットを識別し、読み取った情報を在庫・搬送システムへ登録するために利用します。入出庫履歴や搬送履歴の記録にも活用できます。

これらのシステムを目的に応じて連携することで、生産・在庫・搬送・設備の情報を共有しやすくなり、工場内物流の見える化や改善につなげられます。

AGVとAMRはどちらを選ぶべき?

AGVは、決められたルートを繰り返し搬送する現場に向いています。
一方、AMRは、障害物が多い現場やレイアウト変更が頻繁に発生する工場に適しています。

選定時は、経路変更の頻度だけでなく、搬送物の重量や大きさ、搬送量、停止精度、通路環境、必要台数、設備との受け渡し方法、導入・保守コストなどを比較します。

製品によって走行方式や機能が異なるため、「AGVかAMRか」という名称だけで判断せず、現場で必要な搬送能力や安全要件を満たせるかを確認することが重要です。

まとめ

AGV・AMRは、工場や倉庫における搬送作業の自動化に活用される設備です。
AGVは、あらかじめ設定された経路で定型的な搬送を繰り返す用途に向いており、AMRは周囲の状況を認識しながら自律走行できることが特徴です。

導入することで、搬送作業や移動負担の軽減、搬送待ちの削減、作業のばらつき抑制などにつなげられます。
また、MESやWMS、搬送管理システム、SCADAなどと連携することで、生産・在庫・搬送・設備の情報を活用しやすくなります。

選定時はAGV・AMRという名称だけで判断せず、搬送物や搬送量、通路環境、安全要件、設備との受け渡し方法などを確認し、現場に適した方式を選ぶことが重要です。

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この記事を書いた人
担当者K ( 株式会社アイ・シー・エス )
マーケティングチームのメンバーです。
図面管理や在庫管理など、製造現場の業務効率化に役立つ情報を発信しています。
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